年をとると、特に男性の場合で薄毛が目立ってくる人が多く見かけられますが、まだ10代20代という若さにもかかわらず、毛髪の薄い人も割とおり、これには皮膚の疾患や、過剰なストレスが原因であったりする他に、薄毛が進行してしまう、AGAの症状があらわれている可能性があり、これ以上の症状の悪化を食い止めるためにも、専門の医療機関で検査を受け、治療を開始するのが有効です。
毛髪の構造として、頭皮の奥に埋もれている、毛包という部分の先にある毛球の毛母細胞や毛乳頭によって成長を繰り返しており、毛母細胞が毛細血管から栄養素を蓄えて増殖や分化を行い、毛乳頭が毛母細胞の働きを操作しています。
成長と脱毛を繰り返しながら毛髪は生き続けますが、この繰り返しのことをヘアサイクルといわれており、AGAの症状を持つ人は、毛母細胞や毛乳頭の働きが弱り、自然なヘアサイクルに乱れが生じることで、薄毛や抜け毛の症状が強く出ている状態にあります。
AGA治療において、毛髪の自然なヘアサイクルを取り戻すために、成長因子(グロースファクター)を注入する方法が利用されており、この方法のことをHARG療法と呼んでいますが、このHARG療法には肝細胞増殖因子のAAPEの中に含まれる、いくつかの種類の成長因子(グロースファクター)を使い、HGFという毛母細胞の増殖を促すことが、AGA治療で有効に作用するようになります。
HGFとは、毛髪のヘアサイクルにおける、成長期を維持する際に働く毛母細胞で、生体細胞成長因子とも呼ばれるもので、肝臓の再生に作用する成長因子として、日本で発見されたものであり、血管新生の自然治癒力を持っていることから、循環器系疾患の治療にも多く使われるようになった経緯を持ちます。
また、ヘテロ二量体のPDGF-ABというタンパク質の一種がありますが、これは分裂促進因子であり、毛母細胞そのものを指すサイトカインの刺激を受けて、活性化することがわかっており、そもそも毛髪はタンパク質でできていることから、これらの物質が発毛効果や育毛効果に大きく貢献するため、HARG療法がAGA治療で広く使われるようになりました。
成長因子を毛母細胞や毛乳頭に届けるには、注射器やレーザー、電気の力を用いて注入する方法がよく利用されていますが、最も一般的な注射器による治療法は、痛みを伴いやすいという欠点を持っていますが、レーザーや電気を利用すれば、極小の穴を頭皮にあけるだけですみますので、痛みがほとんど感じられることなく、傷跡の心配もいりませんから、快適に施術を受けたいのなら、レーザーや電気による治療法に頼りたいところです。
ただし、HARG療法は非常に高度な技術を要する施術であるため、設備が整っており、高い技術を持つ医師が存在する医療機関でなければ、治療を受けられないばかりか、治療費が高額になるという欠点を持っていますので、治療費をすぐに用意できない場合には、医療ローンなどの分割払いを用意している医療機関を選択すると、無理なくAGA治療を受けられるようになります。
成長因子を用いた治療は、従来の内服薬や外用薬に頼った治療法に比べて、毛髪の成長のもとになる部分に直接作用するやり方ですから、より高い効果が出る可能性を秘めています。しかし、従来の内服薬や外用薬による治療法であっても、十分な発毛実感を得られる人もいますので、まずは治療費が安く済む、従来の方法から実践するのがおすすめです。
従来の方法を長く試しても、効果が実感できなかった時に、成長因子を用いたHARG療法について、医師のアドバイスを受けながら、利用の検討をするのがよいでしょう。