AGA治療の中で発毛効果のある成長因子(グロースファクター)FGFとは何か

AGA(エージーエー)は、男性型脱毛症のことであり、男性ホルモンと深い関係を持つ進行性タイプの脱毛で、そのAGA治療に効果的と言われるFGFとは、1973年に下垂体抽出物中に見つかった線維芽細胞増殖因子のことを意味する生体内の物質、成長因子(グロースファクター)の1種で細胞増殖や毛母細胞の活性を促します。
また、毛髪の生育時に必要な細胞分裂促進因子として働き、多機能性タンパク質を生成することからさまざまな効果を示しますが、その際に細胞と細胞の情報伝達機能であるシグナリング分子が他の細胞に増殖や分化を活躍にさせる重要な作用をもたらします。
男性ホルモンの影響でヘアサイクルが正常でないため、薄毛の症状である髪の毛の細さや毛量が少ない状態を改善する FGFの種類や役割を知り、自分に合った発毛効果のあるAGA治療を見つけなければ、発毛・育毛効果や薄毛対策の活用に至らないと言えます。
思春期を過ぎた頃から中年期に多く見られるAGAは、気になりつつも放っておくと、どんどんと症状が進むため早い段階から対処することが、その先の頭髪の状態を変えて行くカギとなることを念頭に置いて取り組み始めることが大切です。

FGFには23種類あり、AGA治療に重要な働きをするのが、FGF1・FGF2・FGF7・FGF10の成長因子とされ、特にFGF7は発毛促進因子とも呼ばれる毛母細胞増殖因子で、発毛に大きな効果があると言われ、毛根部分に存在し毛乳頭細胞から生成されて毛母細胞の増殖や分化の活性化をさせ発毛・増毛効果を促し、FGF10もまた同じような役割を持ちます。
そしてFGF1とFGF2は、血管新生作用を促進し、組織などによる導きで新しい血管が形成されて、頭皮の毛細血管を増やす働きが高く、血行促進により細胞分裂の活発化など、この4種類が特にヘアサイクルの成長期を長くし、発毛や太い髪を作る成長因子であり、これに似た天然植物エキスにビワエキス・センブリエキスなどがあります。
反対にFGF5は脱毛遺伝子で、ヘアサイクルを乱し抜け毛を進行させてしまうため、成長期から休止期への移行を遅らせる抑制活動が必要となりますが、ビワの葉エキスにはFGF7の促進とFGF5を抑制する効果があると言われています。
AGAの症状を大きく分けると、生え際から進行するパターン(M字型)・頭頂部から脱毛するパターン(O字型)・両方を含んだ混合パターン(C・U字型)になります。
AGA治療法には、M字型のタイプは剃り込み部分の血管が少ないことから血行促進を必要とし、O字型は頭頂部の血行不良が要因な点から同じく血行促進、改善にFGF7・FGF10が役割を持ち、C・U字型は再生因子を頭皮に補給するなどタイプによって異なることから、AGA専門の医療機関でのFGF配合の治療や自分のタイプを把握した上で発毛に必要なFGF配合の育毛剤を使用する方法もあることを把握し、まずは遺伝性の確認やどのタイプに当てはまるのかを調べ、成長因子での治療を取り入れると、育毛や発毛に変化や効果の実感が出てくるのではないでしょうか。

AGAは主に遺伝性が強いと言われていますが、皆が遺伝でAGAになるとは限らず可能性が高いということ、それ以外に飲酒・喫煙・食事の栄養の偏り・ストレスなど頭皮に悪影響を与える日常生活もAGAを招く要因になると意識することが大事です。
また、自分の頭髪が心配な人は、早期に改善・治療を考えることが進行を遅らせる手段であり、その他に生活習慣に気をつけることも大きな予防法で、食生活では毛髪の成長にタンパク質やミネラルなどの摂取、飲酒喫煙を控えるなどしましょう。
頭皮や毛根にダメージの強いストレスやシャンプー法、紫外線にも注意をしながらAGA治療に取り組むとFGF使用との相乗効果があると言えるでしょう。
AGA治療に効果的なFGFとは、頭髪再生医療、FGF7を配合した育毛剤などがあり、頭皮や毛根の成長促進により毛髪のヘアサイクルを戻していく力強いサポート成長因子と言えます。

再生医療技術を応用した成長因子(グロースファクター)によるAGA治療

現在ではAGA治療の方法にも選択肢は多数あり、男性ホルモンに由来する脱毛原因物質を阻害する内服薬や、頭皮の血行を促進する外用薬などは特に有望とされていますが、男性機能を低下させる恐れがあるなど副作用の可能性を完全には否定できず、また脱毛予防の効果はあっても積極的に発毛を促すものではないため、毛髪が大幅に増えることは期待できません。また各種の植毛技術も進歩しており、自毛植毛は日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨されていますが、自分の髪の毛を移植するだけなので、頭髪全体の本数が増えるわけではなく、さらに傷跡が残る可能性や手術に伴うリスクが存在するため、誰にでも勧められる方法とは言えないのが現状です。これらの方法とは異なる発想で、髪の本数自体を増やすことを目標に開発されたのがHARG療法であり、育毛剤を頭髪に注入するという点では従来の銀座総合美容クリニックのAGA治療である「育毛メソセラピー」と同じですが、近年研究が進められている再生医療技術を取り入れた点が大きな特徴となっていて、AGAだけでなく加齢に伴う脱毛や女性の薄毛などにも効果があるとされています。

再生医療技術としてよく知られているのがES細胞やIPS細胞ですが、このうちES細胞は胚性幹細胞と訳され、動物の最初の発生段階である胚から取り出された細胞で、あらゆる臓器に分化できる万能性を持っている反面、作るのに受精卵が必要なので生命倫理の観点から問題があるとされ、代わりに大人の細胞から作られるIPS細胞の研究が始まりました。ES細胞もIPS細胞も、いろいろな組織に分化できる幹細胞である点では同じですが、人間の体内には他にも脂肪幹細胞や毛母幹細胞などの幹細胞があって、新しい毛が太く長く伸びていくのは毛母幹細胞の働きであり、これを活性化させることで薄毛を予防し発毛を促進できると考えられます。このようなAGA幹細胞再生治療のひとつとして、本人の脂肪組織から脂肪幹細胞を採取し、頭皮に埋め込むという手術も行なわれており、高い発毛効果を期待されていますが、腹部や臀部から脂肪を吸引する手術が必要になるというデメリットもあって、施術しているクリニックは限られています。HARG療法は本人の脂肪幹細胞ではなく、幹細胞から抽出したタンパク質を頭皮に注入するのが特徴で、その中には毛母細胞を増加させるKGF、頭皮の毛細血管をつくるVEGF、成長期の毛根を維持するPDGFなど数種類の成長因子(グロースファクター)が含まれており、それ自体に効き目があるだけでなく、注入された頭皮の毛母幹細胞を刺激して、二重の効果を発揮すると考えられます。そのほかHARG療法で使用されるHARGカクテルには、一般的な育毛メソセラピーで用いられる血管拡張成分やビタミンB群、ビタミンHなど各種栄養成分が含まれ、毛母細胞の活性化を助けて髪の成長を促すほか、脱毛の原因となるタンパク質の生成を阻害する成分も含まれており、これらが総合的に作用して薄毛を改善していきます。

男性型脱毛症には有効な治療薬が開発されているものの、薬の飲み合わせや副作用の関係で使用できない人が存在しますし、女性の薄毛には利用できない等のデメリットがあり、これまでは植毛やカツラで対応するしかなかったケースに、HARG療法は治療の道筋を開いたと言えるでしょう。HARGカクテルを頭皮に注入するだけなので手術の必要がなく、体の負担が少なくて済むことや、副作用やアレルギーの心配がほとんどないこと、ワンクールを8回程度として半年から1年ほどの治療を終了すれば、その後は定期的に通院しなくてもよいこと等も、HARG療法のメリットとして挙げることができます。